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人生を懸けて築いた会社「どう残していくか」を考える(前編)

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今回は「事業承継」のお話です。あなたの工場は、未来を託せる後継者が決まっていますか? 企業経営を支援する次世代経営コンサルタント集団である株式会社フォーバルさんに取材しました。取引先様向けメールマガジン「なるほど! ナルネット!!」よりコンテンツを紹介します。


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経営者に定年はないが、限界はすぐそこに迫っている

心の底ではリスクを認識していながらも、実際にことが起こるまで手を打たず、気づいたときには手遅れになっている──これは人間の悲しい性のひとつです。

例えば、そう遠くない将来に起こることが確実視されている首都直下型地震や東海地震などの天災に対して、個人や家庭のレベルで発生に備えている人は少ないのではないでしょうか。同様のことが経営にも言えます。

日本において喫緊の課題と認識されているにもかかわらず、対応が遅れてきた問題のひとつに、後継者不足に起因する『事業承継』の問題があります。各種データによると、現在、日本の経営者の平均年齢は62歳超。2021年版の『中小企業白書』は、経営者の高齢化が『企業の休廃業や解散の増加につながっている』と指摘しており、『貴重な経営資源を散逸させないためには、迅速に意欲ある次世代の経営者や第三者などに事業を引き継ぐ取組が重要である』とまとめています。

もっとも、事業承継の問題が顕在化したのは最近になってからではなく、マスメディア等で問題が指摘されるようになって10年以上が経ちます。構図や流れは以前と変わっていないものの、ただひとつ、決定的に異なっている点があります。それは、『残された時間』です。

年月の経過に伴い、当然のことながら、そのぶんだけ経営者の高齢化が進みました。経営者に定年はないものの、健康や体力などを考慮すると、いつまでも現役を続けられるわけではありません。いつか必ず限界がやって来ます。もし経営者の身に不測の事態が起きたとき、困るのは家族だけではありません。従業員とその家族、顧客など影響は多方面に及びます。

実際、中小企業庁が発表しているデータによれば、4年後の2025年までに70歳を超える中小・零細企業経営者は約245万人(!)に達するとされ、そのうち約半数の127万社が後継者が決まっていない状態にあると試算されています。日本の産業界は、まさしく『未曽有』の危機に直面していると言っても過言ではありません。

なかでも自動車整備業界が置かれている状況は他業界より厳しいと言われており、高齢の事業主が多い整備専業者や板金工場において問題はより深刻さを増しています。

ナルネットコミュニケーションズは昨年、そうした全国の自動車整備工場の事業承継支援をはじめとする課題解決に取り組むために、企業経営を支援する次世代経営コンサルタント集団である株式会社フォーバル(以下フォーバル社)と業務提携を結びました。今回はフォーバル社の事業承継支援部を訪ね、幅広く話を伺いました。

株式会社フォーバル ウェブサイト

初動が遅れれば遅れるほど「打てる手」は少なくなっていく

フォーバル社は創業以来、2万社を超える中小企業や小規模事業者に対し、コンサルティングサービスの提供やOA機器の販売などを通じて経営支援を実施してきた企業です。聞けば、同社が事業承継支援部を立ち上げたのは2017年とのこと。その経緯について、同部部長を務める山田健一さんは次のように話します。

 

株式会社フォーバル

事業承継支援部長 山田 健一さん

 

 

「2万社を超えるお客様の利益創出に長年にわたって貢献してきた中で、多くの経営者から『後継者』の問題について相談を受けるようになりました。以前までは、経営者がさまざまな理由で廃業や事業清算を決心された際に、渋々ながら関係に終止符を打つ以外に手がなく、忸怩たる思いや無力感を抱いてきました」(山田さん)

しかし、多くの企業はフォーバル社のコンサルティング支援を受ける中で業績が拡大し、社員数も増加。当該業界や地域社会におけるプレゼンスが向上し、「廃業や解散が各方面に大きな影響を及ぼす懸念から、経営者が廃業や解散を希望しても、それが簡単には許されない状況が生まれるようになりました」と、山田さん。そこでフォーバル社は事業承継支援部を設立し、事業承継またはM&Aの実行支援を通じた支援に乗り出すことになったと言います。

「経営者にとって、会社はそれこそ『人生』を懸けて築き上げてきたもの。後継者がいない、という理由で存続を諦めてしまうのはもったいない話です。弊社の事業承継支援を通じて後継者問題の解決に寄与することで、次の10年、20年、もっと言えば50年、100年の未来を切り開き、お互いに成長し続けられるよう貢献できれば、それに勝る悦びはありません」と、山田さんは言葉に力を込めます。

さて、ひとくちに『事業承継』と言っても、それぞれの企業が置かれた状況は千差万別です。具体的に、どのようなプロセス、手法を通じて支援を実施するのでしょうか。事業承継支援部の伊佐野豪士さんは言います。

 

株式会社フォーバル

事業承継支援部 伊佐野 豪士さん

 

 

「最初のステップとして、経営者が何を考え、何を希望しているかを徹底的にヒアリングします。事業承継には、親族内継承や従業員継承、M&A(合併と買収)などの方法が考えられ、もちろん廃業も選択肢のひとつになり得ます。それぞれのメリット・デメリットをすべて説明させていただいたうえで、経営者が『自分にはこれが合っている』と納得したものを選んでいただくことになります」(伊佐野さん)

伊佐野さんが言うように、事業承継の方法には様々な選択肢があります。基本的には、以下の5つの方法に絞られると言います。

①親族による承継
②従業員など親族以外による承継
③M&A(合併と買収)
④廃業や事業清算
⑤上場
後継者がすぐに見つかればそれに越したことはありませんが、難しい場合、会社を残すための最も有力な選択肢は、『M&A』だと言います。

M&Aは他企業に会社や事業を売却することですが、適切な売却先企業(譲受企業)が見つかるまでには相応の時間が必要となるケースが一般的です。「弊社は2万社超の企業とお付き合いがあり、M&Aを希望された場合に、マッチングが実現しやすい体制がすでにできあがっていることが強み。経営者の意向に対し、スピード感をもって対応できると自負しています」と、胸を張るのは寺越基格さん。

 

株式会社フォーバル

事業継承支援部 寺越基格さん

 

 

もっとも、M&Aにしろ他の方法を選ぶにしろ、事業承継にはどれも充分な準備期間が必要となることから、「準備にかけられる期間が少なくなればなるほど、すなわち初動が遅れれば遅れるほど選択肢の幅は狭まってしまいます。手遅れになる前に、今すぐにでも動き始めるべき」と、寺越さんは注意を促します。

後編では、M&Aのメリット・デメリットに加え、フォーバル社がつないだ自動車整備業界のM&Aのケースについて紹介します(続く)。

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(掲載日)2021年7月5日

 

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