ナルネットの業務を陰で支えてきただけでなく、成長の「立役者」とも言われる情報システム。いったいどんなシステムなのか、情報システム部のメンバー3名に話を訊きました。今回はその前編です。メンバーの自己紹介とシステムの現状をご説明します。取引先様向けメールマガジン「なるほど! ナルネット!!」からのコンテンツです。
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ナルネット最大の武器、それは「情報システム」
──まずは自己紹介からお願いします。
情報システム部
部長 鈴木 達
鈴木
こんにちは、部長として情報システム部を預かる鈴木です。実は2022年8月に部長に就任したばかりでして、なりたてホヤホヤというところです。ナルネット以前は半導体メーカーに勤務しており、そこでも情報システム部の責任者を務めていました。
情報システム部
石井 利明
石井
こんにちは、2019年入社の石井です。以前は、システムインテグレータで金融系システムの開発などに携わっていました。
水野
はじめまして、水野です。入社は2020年8月ですから、ちょうど3年目に入ったところです。腰を据えてシステム開発に携われることや、面接などでお会いした社員の方々を通じて「いい雰囲気の会社だな」と思ったことが入社の決め手になっています。
──3人とも転職してナルネットに入られていますが、最初にナルネットのシステムに触れたとき、どんな印象を持ちましたか。
石井
率直に言って、「すごいシステムだな」と思いましたね。イレギュラーな要求や要件にも柔軟に対応できるよう汎用的に造られている印象を持ちました。
鈴木
ナルネットの情報システムは、業界用語で言えば「フルスクラッチ」なシステムになります。洋服で言えば完全オーダーメイドに相当し、1からすべて自ら造り上げた独自システムです。ナルネットの業務は独特ですから、どこかから基幹システムのパッケージ製品を買ってきて導入したとしてもうまくマッチしないと考えたのでしょう。現行の基幹システムが稼働し始めたのは2004年頃だと思いますが、ナルネットの独自性を活かすために、あえてフルスクラッチなシステムを選択したのだと思います。私もナルネットに加入して日が浅いのですが、このシステムを造り上げてきた先達たちの苦労と努力に畏敬の念を覚えています。
水野
システムの全容を把握しているとは言い難く、いまだに理解できていない部分も多いのですが、建築物に喩えるなら、増築や改修を何度も重ねてきたシステムという印象を持ちました。現在も「こういう機能を追加してほしい」「この機能を修正してほしい」というリクエストが社内からたくさん寄せられるのですが、そういった多種多様な要望に応え続けて鍛え上げられてきた結果、ナルネット全体の業務にうまく対応できるよう進化を遂げてきたシステムだと思いました。
──そもそも論で恐縮ですが、システムを独自開発することで得られるメリットは何でしょうか?
鈴木
一般論になってしまいますが、独自開発の最大のメリットは、自社特有の業務フローを洗い出して「要件定義」といった設計プロセスを経ることにより、自社にとって必要な条件を満たしたシステムが構築できることですね。要件をすべて吸収したうえで開発が行われますから、自社のニーズに合致したシステムの開発が可能になります。
水野
情報システムは、運用しているうちに「もっとこうしたい」「これを追加したい」という要望が出てくることが普通なのですが、独自開発の場合、そうしたカスタマイズにも柔軟に対応できる拡張性の高さが大きな特徴です。ナルネットのシステムがまさにそうで、機能追加や改修により、効率性と利便性に優れたシステムに仕上がっていると思います。ただ、一からシステムを組み上げてきたわけですから、相当な労力が必要だったことは間違いありません。
──逆に言うと、なぜナルネットはシステムの独自開発に踏み切ったとお考えですか。費用がかかりそうな気がしますし、クラウドサービスの登場で、情報システムを所有する必要性が薄れているとも聞きますが。
鈴木
やはり業務内容の独自性の影響が強いと思いますね。ナルネットはメーカーではないため自社製品を持っているわけではありません。メンテナンス業務の受託に代表されるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務の受託・運用という特殊なビジネスを展開しています。そこに介在しているのは「人」ですから、スタッフが効率よく働けるためのシステムを、という観点で検討した結果、システムは独自開発が望ましいという判断に至ったのだと思います。完全オーダーメイドのシステムはコストが嵩むことが普通なのですが、ナルネットは業務内容があまりにも特殊過ぎて、パッケージ製品を適用させようとすると大がかりなカスタマイズが必要になって逆にコストが膨れ上がる可能性が考えられます。独自開発したことによって、むしろコストが抑えられてきた面があると思いますね。
石井
ナルネットの中核業務はメンテナンスの受託ですが、ひとくちに「メンテナンス」と言っても、クルマは数万点の部品で構成されていますから、メンテナンスの項目もそれこそオイル類からフィルター類、フルード類、パッキン類、ベルト類、タイヤ、エアコン、トランスミッション…etc.まで多岐にわたります。取り扱っている車種も幅広いため、車種と部品の掛け合わせによる項目数はそれこそ膨大な数にのぼります。また、契約内容も取引先によって異なります。そういったもろもろの細かい情報を扱えるシステムは、既存のパッケージ製品には存在しません。その意味で言えば、「独自開発するしかなかった」というのが実態かもしれません。
鈴木
これは伝え聞いた話ですが、ナルネットでは、業務で発生する情報のすべてをシステムに記録・保存し、その情報をビジネスに活かしていこうという企図に基づいてシステムの構築が進められたとのことです。「情報はいずれ財産になるから、とにかく情報を貯めていこう」という考えは、当時としては先進的だったと思います。最初は入力作業等に四苦八苦していたようですが、基幹システムの構築から十数年を経た現在までに膨大な量の情報が蓄積され、その分析に基づいて取引先にベストな提案ができたり、すぐに見積もりを提示できたりしていると言いますから、近年のナルネットの飛躍と発展はこのシステムの賜物だと思います。前述したようにナルネットは自社商品を持っていませんが、ナルネットにとってはこの情報システムこそが商品、すわなち「武器」になっている面が強いと思いますね。
水野
基幹システム以外の機能として、提携整備工場やリース会社からのご要望やお問い合わせの応答などの履歴もすべて記録する機能なども追加されています。ナルネットが業務を滞りなく遂行していくためには様々な機能が必要ですから、やはり独自開発によって自社に適したシステムを構築せざるを得なかったのかもしれませんね。次回(後編)では、お客様や取引先様の利便性を向上するためのリニューアルについてご案内いたします。
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(掲載日)2022年10月6日