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担当者に聞く「モビノワ」の裏側 現在の課題解決と未来のビジネス創出の両軸を動かし、モビリティの輪を未来へつなぐ。

サービス お役立ち情報

自動車業界はいま、100年に一度の大変革期といわれています。オートリース会社に向けたリース車両の受託管理サービスを主軸とするナルネットコミュニケーションズも、そうしたモビリティ革命の渦中にあります。さまざまな対応を進めていますが、8月1日にオープンしたソーシャルメディア「モビノワ」はその一環です。

(プレスリリースはこちら

自動車メーカーの企画・開発、生産の現場では、「電気自動車(EV)」や「自動運転」など新しい技術やサービスの開発が急ピッチで進んでいます。ところが、クルマの維持/管理を中心としたアフターマーケットは整備士不足や後継者不足などの問題を抱え、そこに新技術に対応するための設備投資の増加、電動化によるメンテナンス売上の減少など諸課題が重くのしかかっています。

「モビノワ」の目的は、アフターマーケットが抱えるこのような諸課題の解決へ向けた一助となることです。「モビノワ」を企画し、実現に漕ぎ着けたのはナルネットコミュニケーションズ サービス支援部長の田中伸明でした。

アイデアの源泉や具体化までの歩みなどを、モビノワ編集長を兼任する田中伸明と、事務局の馬場葉月に聞いていきます。

 

田中伸明
ナルネットコミュニケーションズ
サービス支援部長 兼 モビノワ編集長

自動車整備士として社会人をスタートし、テクニカルライター、整備士教育コンテンツ/研修の企画・制作、店舗改善業務などに従事。もっと整備現場の近くで働きたい!という思いからナルネットコミュニケーションズへ参画。「<人とモノの移動を支える人>を支える人になる。」を目標に日々活動中。

 

―リース車両の受託管理という事務処理が主体の会社ですが、なぜソーシャルメディア「モビノワ」を立ち上げようと思ったのでしょうか。本業とは直接関係なさそうですが?

田中

一言で言えば、点検/整備をはじめとする自動車アフターマーケット全体に対する危機感ですね。自動車メーカーは莫大なお金をかけて電動化や自動運転化に向けてひた走っています。電動化と一括りにすると簡単ですが、実際には電気自動車だけでなく、ハイブリッド車も燃料電池車もあります。自動運転のシステムもメーカーによって千差万別です。アフターマーケットでは、そのすべてのシステムについて、点検/整備していかなければなりません。

EVをメンテナンスするには新しい知識が必要になりますし、ガソリン車などの内燃エンジン車とは違う整備機器も必要です。例えば、自動運転装置の整備にもセンサーの位置等を最適化する「エーミング」という作業が加わります。これまで存在しなかったまったく新しい工程です。同時に人手不足と高齢化、後継者不足などの問題を抱えた自動車整備業界は、今ある仕事に手一杯で、なかなか新技術に取り組めません。

実際、当社の業務でも徐々に弊害が出始めています。具体例を挙げると、リース車両の管理を請け負った場合、わたしたちはユーザー居住地の近隣の自動車整備工場にメンテナンスを依頼するものの、断られるケースが出てきているのです。人手が足りない、必要な機器がない、といった理由です。

こうしたケースが多数を占めてくると、わたしたちの会社も立ち行かなくなります。かといって、全国に9万件ほどあるといわれる自動車整備工場が抱える課題に対して、ソリューションを個別提供していくのは、少なくとも短期視点では現実的ではありませんでした。

 

―そこで「モビノワ」はどんな役割を果たすのでしょうか。

田中

電動化や自動運転化によりクルマは多様化しています。そのすべてを一つの整備工場が対応していくことは、今後はとても難しくなっていくと考えています。とはいっても、ユーザーが安心/安全に、そして快適にクルマを使用し続けるためには、適切なメンテナンスが不可欠。あらゆる技術に対応していかなければなりません。もしメンテナンスサイドが電動化や自動運転化の進み具合に追いつけなければ、とても大きな問題です。自動車の開発・生産サイドとメンテナンスサイドが両輪で進んでいかなければ、モビリティ革命は絶対に成り立ちません。

では、どうしたら良いのか?

一つの工場で対応できないなら、つながればいいのではないか。それぞれが持つ得意分野を持ち寄ることで、全体として対応できる環境をつくればいいのではないか。そのためのコミュニケーションの場、つながりの場を提供することなら、いますぐにでもできるのではないか、と考えました。

そして、コミュニケーションを醸成し、つながりを広げていくためのきっかけとして、情報提供をおこなうことにしました。情報を起点にしてアフターマーケットで働く人々がつながり、知恵や情報を持ち寄ることで新しい発見が生まれ、課題解決や次のビジネスの種が見つかるのではないか。そのようなアイデアがソーシャルメディア「モビノワ」の原点です。

EVや自動運転ばかりではありません。MaaSなどの未来に向けた新しいサービスへの対応も必要でしょう。加えて整備事業における人材育成、チームビルディング、生産性向上といった現在の足元課題への対応も必要です。「モビノワ」は、趣旨に賛同してくれる人や企業がこれらの課題を持ち寄り、対応策を話し合う場です。掲載される情報に対してコメントしたり、関連するスレッドを立ち上げて意見交換をしたりすることができます。私たちの1万1500におよぶ整備工場ネットワーク、そしてそれ以外の方々にも参加していただくことで新しいモビリティの世界を開拓したいと考えました。

 

―WEBサイトの運営体制や中身について教えてください。

 

馬場葉月
ナルネットコミュニケーションズ
サービス支援部 モビノワ事務局

学生時代にメディア情報学を専攻、2022年4月にナルネットコミュニケーションズへ新卒入社。自動車業界、整備業界について日々勉強中。配属後、はじめての任務がモビノワの運営でした。モビノワが自動車業界の方たちのお役に立つメディアとなるよう、頑張っていきます。

 

馬場

事務局は編集長の田中、パートさん、わたしの3名ですが、コンテンツのアイデア出しや制作は社内各部署を横断してたくさんの方々にご協力いただいていて、営業やサービス支援、人事総務など多岐にわたります。自分たちの業務に関連したコンテンツを制作することもあります。ナルネットコミュニケーションズは以前から「NALニュース」などお取引先への情報発信が盛んで、記事作成を器用にこなす人が多いのです。

もちろん、外部の専門家にも寄稿していただきます。モビリティに深い造詣を持つジャーナリストや外国人材支援企業の経営者、チームビルディングを専門とする大学講師(わたしの恩師です)などさまざまな方に依頼しています。新興EVメーカーさんや物流会社さんなどモビリティ業界に関わる会社の現場取材も計画中です。

 

―「自動車業界」というとなんとなくイメージできますが、「モビリティ業界」となると途端に扱う世界の幅が広くなります。

馬場

SONYやGoogleがクルマを作ろうとしている時代ですからね。トヨタやホンダといった既存勢力に加え、BYDやNIO(ニーオ)など中国メーカーが急速に力をつけ、HWエレクトロやフォロフライなどの新興EVメーカーも出てきました。自動運転やMaaS関連ではIT産業の役割も大きいです。

そのような状況では、正しい情報を効率よく収集することが大切だと思っています。業界動向や新技術、メンテナンスの情報などは、現状あちこちへバラバラに散らばった状態で存在しています。これを「モビノワ」に集約していきたい。そうすればきっと、アフターマーケットに携わる方々にとって有用なものになるはずです。

 

―「モビノワ」はこの8月1日にオープンしたばかりですが、将来への展望を教えてください。

馬場

「モビノワ」には、いろんな人と企業に集まっていただきたいですね。そのために、編集部はコンテンツを充実させている最中です。同時にさまざまな方面にお声かけをし「モビノワ」の趣旨に賛同してくださる人や企業を集めています。整備工場だけではありません。自動車メーカー、部品メーカー、部品商社、リース会社、自動車整備学校、地方自治体、新規参入企業などさまざまな分野の人と企業がそれぞれの「得意」を持ち寄ってディスカッションが始まれば、それは大きなエネルギーになると思うのです。

田中

そうですね。普段、みなさんが「普通」だと思っていることが、誰かにとって大きな発見になることがあります。みなさんの「当たり前」が、誰かの悩みを解決することだってあります。みなさんの「普通」や「当たり前」は、今までみなさんが培ってきた「知恵」であり、他の誰かにとっては、とても貴重な「情報」になります。わたしたちは「モビノワ」で、アフターマーケットをより魅力的な市場にしていきたい。

「モビノワ」によって、現在の課題の解決と、未来の新しいビジネスへの挑戦の両軸が動き出せば、自動車整備業界をはじめとしたアフターマーケット全体の活性化につながります。アフターマーケットが活性化すれば、今よりももっと便利で快適に移動できる世界が実現すると確信しています。

ぜひ「モビノワ」を覗いてみてください。新しいアフターマーケットの姿を皆さんと一緒に作り上げていきたいと思います。

 

モビノワURL https://mobinowa.com

 

 

(掲載日)2023年8月7日

 

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