竹島鈑金株式会社
コレCARラ北岡崎駅前店
岡部新也店長
日本の基幹産業である自動車産業の中心地、愛知県。同県は人口が多いにも関わらず、東京都や大阪府、神奈川県などと比較すると鉄道などの公共交通機関が少なく、クルマの需要が高いことで知られています。特に郊外ともなると「一人一台」のニーズがあり、自動車の新車販売台数はもちろん、保有台数でも日本一を誇るなど、まさに「自動車王国」と呼ぶにふさわしい地域です。
クルマの需要が旺盛ということは、裏を返せば、販売店や整備工場にとっては「それだけ競争が激しい」ことを意味しています。リースから販売、レンタカー、車検、鈑金まで、クルマに関するサービスをひととおり提供しているコレCARラ北岡崎駅前店(愛知県岡崎市)の岡部新也店長も「岡崎市内は、ディーラーや販売店が軒を連ねる超激戦区」と苦笑します。
「すぐ近くにトヨタ、ホンダ、日産、ダイハツ、スズキのディーラーがありますし、もちろん三菱もマツダもあります。中古車販売店も山ほどあるなど、『道を歩けばクルマ屋さんにぶつかる』と言っても過言ではないほどの販売店過密地域で、お客様から見ればそれこそ『お店選び放題』の状態です。買い手市場ですね」
聞けば、オープンは2021年7月とのこと。販売店過密エリアの岡崎市で、同店のような後発店舗が足がかりを築き、生き残っていくことは容易ではありません。
「ぶっちゃけた話になりますけど、お客様からすればクルマなんてどこで買っても同じですからね。どうやったらお客様から選ばれるお店になれるか、常日頃から考えて実践しています」
知恵を絞って編み出した同店の基本方針は、『車のコストカット専門店』というものでした。
「その名のとおりの意味になりますけど、当店はとにかく『お客様のコストカッター』でありたいと思っています。具体的には、クルマにかかる費用を少しでも軽減できるような提案ができる店を目指しています。ただ単にクルマを安く売るということではないんですよ。お客様のカーライフに関するコストをトータルに安くしていく提案を心がけています」
近年、日本では『カーリース』『カーシェアリング』の利用が拡大するなどクルマの乗り方の多様化が進んでおり、『購入』以外の選択をすることができるようになっています。背景に潜んでいるのは、日本の経済停滞です。
「数十年前と比較して、軽自動車の価格は倍くらいに上がっていますよね。一方で、日本人の収入は横ばい状態です。収入は横ばいで車両価格が倍になったら、クルマの購入は難しくなりますよね。維持も容易ではありませんから、リース市場が拡大するのは当たり前です。そんな世相だからこそ、当店ではクルマに関するお客様のコストカッターを自認し、専門知識を活かしたベストな提案でお客様のカーライフをサポートしています。『購入したいけどできない、でもクルマが必要』というお客様の想いを受け止めて、それを叶えるために何をできるか、どういうことができるかを真剣に考えて提案しています」
明るく清潔な商談ルーム。ちびっ子コーナーも充実。
『自動車王国』たる愛知県では、当然ながらカーリースの分野でも顧客の争奪戦が起きており、「参入が相次ぎ、最近ではガソリンスタンドでもカーリースを提供しているほどです」と岡部さんは説明します。コレCARラ北岡崎駅前店もカーリースを手がけており、リース車両のメンテナンスに関しては、ナルネットコミュニケーションズの整備ネットワークを活用しています。
『超』がつくほどの激戦区に出店しているにも関わらず、同店は好調を維持しています。競争が激しいだけに、顧客に店の存在を周知することすら容易ではなく、足を運んでもらうとなるとそれこそ至難の業に思えますが、「そこは頭を使って、いろいろな方法で周知と集客の努力を重ねています」と、岡部さんは胸を張ります。
「趣向を凝らしたイベントが当店の売りですね。ありきたりな内容にならないよう、スタッフ総出で知恵を絞っています。かっこいい言葉を使えば、当店は『ボトムアップ型組織』を志向しており、若いスタッフの柔軟な発想で、お客様の興味を惹きやすく、かつお客様に喜んでいただける様々なイベントを企画しています。他にも、例えば『10分100円レンタカー』などのユニークなサービスも導入し、『試しに利用してみようかな』『面白そう』と思ってもらえるような仕掛けを施しています」
取材中にも100円レンタカーを送り出していた。
100円レンタカーは特に好評で、「その利用がきっかけとなって、購入につながるなど別サービスに展開することも少なくないですよ」と、岡部さんは目を細めます。その他のバラエティーに富んだ数々のイベントについては、同店のインスタグラム(https://www.instagram.com/korecarra.kitaoka/)を参照していただくとして、コレCARラ北岡崎駅前店と他店との最大の違いは、その『接客術』にあるようです。
「お客様のご要望は多種多様です。話をしたときに、『お客様は何を求めているのか』『お客様が発する言葉の裏側にはどんな想いが隠れているのか』など個人的な背景や要因を訊き出して、お客様と一緒に、お客様の求める形にサービスをつくり上げていくというのが当店の方針です。レンタカーの利用を希望するお客様に対しては、『そもそもなぜレンタカーを借りる必要があるのか』『気づいていないだけで、本当は他サービスを必要としているのではないか』といったことを、鬱陶しくならない程度に探っていき、それが明らかになったらそのニーズに応えていくという感じですね。リースがベストならリース、中古車の購入がベストだと思えばそれを勧めます。最初にも言いましたが、お客様のライフスタイルに対し、できるだけコストカットできるプランを提案します」
顧客ごとに異なる多種多様な情報を聞き出すには、まず信頼関係を築く必要があります。そのノウハウにこそ、同店の好調の秘密があるようです。
「心がけているのは、お客様と『仲良く』なること。理想を言えば、友だちになることがベストですね。そのために、お客様が喜んでくれそうな企画やサービスを真剣に考えることはもちろん、表面的な愛想の良さではなく、お客様の課題に対し心の底から『寄り添う』『向き合う』姿勢を意識しています。友だちや家族からの相談を受けているような、親身かつ真剣な姿勢でお客様と向き合っているためか、当店のスタッフはみんなお客様と仲が良いですよ。そこは自慢できる点ですね」
取材後にスタッフ集合写真の撮影を依頼したところ、たまたま来店した顧客が「私も一緒に映りたい」と笑顔でポートレートに収まりました。その光景からも、顧客とスタッフの仲の良さが窺えました。
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(掲載日)2023年1月19日