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リース整備受託と他社買収で安定経営 【サンタックス株式会社】

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ナルネットの提携工場であるサンタックス株式会社様に、ナルネットとの関係性や、他の工場を積極的に買収していく経営方針について伺ってきました。


サンタックス株式会社
代表取締役社長 田中 克昌


かつては電気街、今はカルチャーの街として有名な東京・秋葉原の近くに、サンタックス株式会社があります。古くからこの地で営業している自動車整備工場です。地域に根付いた「街のクルマ屋」として、整備のほか車両販売やカーリースも手がけています。

創業から現在まで

まずは創業の経緯から伺っていきましょう。サンタックスの創業は昭和5年(1930年)。日本橋の自転車店から独立して、田中克昌社長の祖父が神田に自転車店を開いたことが起源です。戦時中に営業を一時中断しましたが、その後はオートバイの販売を開始。四輪自動車が普及し始めると、オートバイから四輪車への移行を迅速に行いました。1960年代には、業界に先駆けて自社リース事業を開始。この事業は特に昭和40年(1965年)頃から活発になり、未来を見通した早い段階での事業化が成功を収めました。

その後も、インターネットを利用したハイエース専門店や輸入車販売店を展開するなど、新しいビジネスモデルに挑戦。むろんすべての事業が成功したわけではなく、幾度かの失敗も経験しています。それでもサンタックスは挑戦を続け、時代の流れに適応する企業姿勢を保ち続けています。

25階建てマンションの1階に入居するサンタックス。令和3年の街の再開発事業に則して近所から移転してきた。スペースが広がったタイミングで指定自動車整備事業の指定を受けた。

田中社長が指摘する重要な転機の一つは、リースの整備受託に関する成功です。

「現在、リース整備受託業務は当社の売り上げの約6~7割を占めており、安定的かつ定量的に整備需要を見通せることから、整備工場としての業務効率が高まりました。むろん他のリース会社さんともお取引がありますが、ナルネットさんとお取引していて嬉しいのは「モビノワ」の存在ですね。私も会員登録していつもチェックしています。業界に関する様々な情報が得られるのもさることながら、整備業界のコミュニティを広げることに尽力している会社とお取引できるのは、長期的に見て経営のメリットになると考えています。この業界はまだまだ成長できる、という気にさせてくれます」

整備工場を買収していくスタイル

しかし、サンタックス株式会社の一番の特色は、グループ化戦略です。倒産・休廃業・解散件数が過去最多ペースの自動車整備業界で、他の整備工場を続々と企業買収しているのです。2年ほど前から本格的にM&Aに取り組み始め、現在までに2社2工場を取得しています。

M&Aの効果として真っ先に思い浮かぶのは規模拡大による事業効率の追求だと思いますが、サンタックスが企業買収に向かう動機は少し異なるようです。どういう勝算があるのでしょうか。

「人材確保が一番の動機です。今の整備業界の最も重い問題のひとつが解決できるのです。求職者は従業員数5人の会社より50人の会社のほうを選びますよね。当社は今のところ人材には困っていません。募集をかければ必要な人材を採用できる状況です」

M&Aの動機は、意外にも人材確保でした。整備士人材の不足が叫ばれる昨今ですが、その面で困らない方策としてM&Aがあるのです。

「二番目の動機は、情報です。金融機関やM&Aコンサルタント会社にサポートしていただいて買収先を探しているのですが、買収することにより、他の整備工場の経理内容など、普通は知り得ない情報を獲得することができます。これらの情報は社内の活性化に役立ちます」

自動車整備の行程は、細かく見れば予約から入庫受付、見積り、部品発注、整備作業の完了、引き渡し、経理処理まで多くあります。多かれ少なかれ各社それぞれその進め方に違いがあり、M&Aを検討する対象の企業や、実際に取得した企業から多くのものを得られる可能性があるのです。これらの情報は経営の効率化に役立つほか、近年いろいろな問題が噴出している法令遵守に関するノウハウの構築にも役立ちます。

今後の展望

田中社長は、現在も多くの時間を買収先を探すことに費やしています。今後も積極的にM&Aを進め、整備事業を中心に中古車販売やレンタカー事業などにも展開していく予定で、6年後の創業100周年に向けて売上高100億円という大きなビジョンを掲げています。これを実現するためには、たとえば規模の大きい中古車販売店を買収するなど視野を広げることが重要であり、現在も複数の案件を検討中です。

田中社長は、整備業界全体の成長とサンタックスグループの発展を見据え、人材の確保とITを活用した効率化でグループ全体の統一感をキープしながら、さらなる事業拡大を目指しています。業界の進化に対応しつつ、企業としての成長を続けるサンタックスの姿勢は、今後も多くの注目を集めることでしょう。

※サンタックス様のお話はモビノワにも掲載しております。こちらをクリックしてご覧ください。

■サンタックス株式会社 概要
http://suntacs.co.jp

所在地:東京都千代田区神田東松下町25番地
連絡先:TEL:03-3256-8801 FAX: 03-3256-7890
工場区分:認証工場
リフト数:2基(※13基)
平均入庫台数:300台/月(※1200台/月)
平均車検台数:60台/月(※300台/月)
※グループ全体

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(掲載日)2024年11月5日

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