新型コロナ世界的感染拡大後の激動の2年間を振り返る社内座談会。ナルネットが真剣にコロナと向き合ったのは、提携工場様へのお支払いを絶対に滞らせてはならない、お問い合わせにもしっかり対応していかなければならない、という一心からでした。
―鈴木
東京支店の閉鎖や在宅勤務の推進、マイカー通勤への切り替えなど、感染リスクを下げるための様々な対策を実施して、「とりあえず一段落かな」と思っていたものの、やがて感染とは関係がない部分で、別の課題が浮上してきました。
―大賀
スタッフ間のコミュニケーション問題ですね。仕事でわからないことがあったとき、コロナ禍以前であれば、隣に同僚がいたり近くに上司がいたりして気軽に相談できましたが、リモートワークの推進で出来なくなりました。それが原因でストレスを溜め込んでしまう人が意外と多かったようです。
―森本
在宅勤務中にトラブルに見舞われたとしても、とりあえずは自分一人で対応しなければならないですからね。そういったことの積み重ねで気分が落ち込んでしまうスタッフもいたようです。ナーバスになったスタッフへのケアに気を遣いましたが、若いマネージャーの中には、どう対応していいかわからずに悩んだ人も多かったみたいですね。z
―鈴木
当初は在宅勤務に反対の人も多かったですからね。
―伊藤
会社に出勤したときは、光熱費も含めて会社のリソースが使えますが、在宅勤務時はすべてご自分のものを使うことが前提となり、費用負担などの面で不透明な部分が多く、導入当初は不満が多かったことを覚えています。
―鈴木
ところが、いざ在宅勤務が始まってみたら、会社に出かける支度をしなくていいし、通勤も必要ないし、ということで、現在では逆に好評です。けれども、その裏返しとしてコミュニケーション不足の問題が出てきたと。
―大賀
スタッフ間の親睦を深めることを目的に定期開催していたイベント、たとえば3か月ごとに実施していた『カレーの日』は自粛を余儀なくされました。
―伊藤
炊きたてのご飯で、みんな集まって昼食にカレーを食べる、というイベントでした。他にも、ハロウィンやクリスマスにも社内イベントを開いていましたね。
―永冶
コロナ禍以前は、社員旅行にも行っていましたからね。一連のイベントがなくなったことが影響しているのか、社員間の人間関係がうまくいかないケースが、特に2020年度中は多かったことを思い出します。
―鈴木
イライラが募るのは仕方ないですよね。送別会も歓迎会も忘年会も開催できなくなりましたから。どのみちマイカー通勤だから飲み会はダメですが、いずれにしろコミュニケーションの機会が失われてしまったことによる反動が起きました。
いわゆる『飲みニケーション』を悪しき慣習と捉える向きもありますけど、かつてはそれがガス抜きになって、良い効果をもたらしていたように思います。ナルネットは良くも悪くも「コミュニケーション」をベースとして成り立っていたんだな、とつくづく感じました。
―蔭山
コミュニケーション不足を少しでも解消するために、2021年12月にクリスマスイベントを開催しましたよね。
―大賀
あれは盛り上がりました。
―加藤
本当は「カレーの日」を復活させたかったのですが、感染への配慮から断念し、みんなでカップ麺を食べるイベントを企画しました。クリスマスプレゼントの抽選会をYouTubeでオンライン配信するなど、新たな試みをスタートすることもできたので成功だったと思います。動画配信の設備を整えて、社内外に対する情報発信の体制を作りましたから、今後は社外とのコミュニケーションにも役立てていきたいと思っています。
―永冶
最近の若者には、『飲みニケーション』を含む社内コミュニケーションをあまり歓迎しない人も多いという話を聞くことがありますけど、そういう人にも配慮しながら、どうやってスタッフ間、あるいはお客さまや提携工場様とのコミュニケーションを充実させて良い職場づくりを進めていくか、これからもいろいろ試行錯誤しながら考えていく必要がありますね。
未曽有の危機にどう立ち向かったのか ナルネットの『コロナ戦記』(中編)