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太陽光事業はじめました!(後編)

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社会貢献の一環として、ナルネットは太陽光発電事業に参入しました。その成果として、晴れてこのたび第1号のプロジェクトが竣工。名古屋市の三興工業様の工場に太陽光発電パネルを設置するプロジェクトを提案・仲介しています。それを記念し、導入企業様、施工企業様、そして弊社担当者それぞれにインタビュー。後編では、設備を導入した三興工業株式会社様、施工した株式会社ハウスプロデュース様に話を訊きました。

三興工業株式会社

代表取締役社長 佐々木 暢様 

https://sankoh-kougyo.com/

 

 

「この会社なら間違いない」

 

──最初に、三興工業様の事業内容について簡単に教えてください。

金属成型法の一つに「冷間鍛造」というものがありますが、当社はその前工程のなかで最も重要な、金属表面処理に関する事業を展開しています。この技術についてわかりやすく説明するのは難しいのですが、金属を正確に加工するために欠かせない工程で、金属を用いた製品の製造分野で高く評価されています。弊社では、特に自動車エンジンに使用される様々な部品の処理を主に担当しています。

──太陽光パネル導入に至った経緯を教えてください。

太陽光発電設備の導入を2年ほど前から検討していました。理由は様々ですが、まずトヨタ自動車さんをはじめとする大手自動車メーカーが、部品の製造を含めたサプライチェーン全体でCO₂排出量を減らす取り組みを本格化される方針を打ち出したことを受け、自動車部品業界の一員である当社も「環境面で社会に貢献することができないか」と真剣に考え始めたことがきっかけですね。さらに、2021年に起きた燃料費の高騰も後押しになりました。

主にインターネットなどで太陽光発電について調べたところ、膨大な数の業者が検索結果に表示され、正直、どこを選べばよいか判断できませんでした。小規模で企業として実績のない会社も少なくなく、「どうしたらいいんだろう」と途方に暮れる状態が続いていました。そんなとき、「今しかない」というタイミングでナルネットの佐久間さんが来訪され、お声がけいただいたのです。

──ナルネットから提案を受けたとき、率直にどう思われましたか。

弊社顧問の渡邊とナルネット参与の佐久間さんが旧知の間柄で、渡邊から「佐久間さんはもちろん、ナルネットさんならまず間違いない」とお墨付きをいただいていたこともあり、とんとん拍子で話が進みました。ナルネットさんからは当初「ソーラーカーポート」の導入を勧められたのですが、弊社の駐車場に新たに屋根を設置することは難しい状況でした。そこで、「いっそのこと工場の屋根に太陽光パネルを敷設したらどうだろう」というアイデアをいただき、それを受けて導入を決断しました。

(左)三興工業 渡邊義夫顧問 (右)佐々木 暢社長

施工業者もナルネットさんから紹介していただけるとのことだったので不安はありませんでしたが、ただひとつ懸念していたのは、工場建屋の強度です。聞けば、強度が不足していると屋上に太陽光パネルを敷き詰めることができないという話でした。そこで専門業者に依頼して強度を測定してもらったところ「問題なし」という回答をいただいたため、プロジェクトを進めました。

嬉しかったのは、工場屋根に太陽光パネルを敷き詰めることで太陽熱が一定程度遮断され、工場内の気温を下げる効果もあると判明したことです。

──確かに、真夏の工場内はうだるような暑さになると聞いたことがあります。

そのとおりです。弊社の工場内も、真夏には45℃近くに達する過酷な環境です。経営者として、できるだけ良い環境で従業員に仕事をしてもらいたいとかねてから考えてきましたので、一石二鳥になるかなと。実際、太陽光パネルを敷設すると、工場内の気温が約4℃ほど低下することがわかり、嬉しく思っています。

工場内の様子。鉄を扱うだけに夏は高温になる。
この天井の表側に太陽光パネルを設置した。

 

自慢するつもりはありませんが、弊社は従業員を第一に考える会社で、生命保険やがん保険などもすべて会社負担で加入させています。今回の太陽光発電導入は、もちろん社会貢献やコスト削減効果を狙ったものですが、同時に、従業員の福利厚生の向上も目指した取り組みです。従業員の健康管理も含めた総合的な判断から太陽光プラントを導入しました。

──発電する電気の用途を教えてください。

設置している機械の特性上、弊社工場内で使用しているエネルギーは大まかに言って、ガスが7割で、電気が3割となっています。その3割の電気代節減に充てられればと期待しています。

──太陽光発電事業はナルネットとしても初めての試みになります。これまで実績がゼロだったわけですが、その点に不安は感じませんでしたか。

全く感じていませんでしたね。ナルネットさんにとって初めての案件ということであれば、それこそ失敗は許されないわけですから、万全を期して対応してくれることが期待できましたから(笑)。お互いに未経験ということもあり、同じ方向を向いて頑張れるのではないかと考えました。

──太陽光発電システムを導入したいけど逡巡している企業に対して、アドバイスやメッセージがあればお願いします。

太陽光発電のような特殊な事業で、適切な施工会社を探して正しい工事をしてもらうには信頼性が書かせません。ナルネットさんのような会社に間に入ってもらうことは、リスクヘッジになると思います。


太陽光は「売る」から「使う」時代に

 

株式会社ハウスプロデュース 
西日本営業部 課長 関 祥人様

──ハウスプロデュースさんは5,000件の施工実績があると聞いています。近年、太陽光発電市場は伸びているのでしょうか?

昨今の電気代高騰の影響もあって、2023年は、一昨年および昨年以上に多くのお問い合わせをいただきました。近年、国からの支援である補助金が充実している関係で、太陽光を導入しやすい環境が整っていることから、検討される企業様が目に見えて増えています。導入に対するハードルと抵抗感がそれぞれ下がってきているという印象ですね。

──以前は「売電」を目的に太陽光発電設備を導入する企業が多いと聞いたことがありますが、その状況は今も変わっていないのでしょうか。

2012年にスタートした「固定価格買取制度(FIT)」により、全量売電型太陽光が全国的に広まり、太陽光発電設備の認知度が高まりました。しかしながら、その後、当初は40円/kWh以上で売電できた単価が年々減少し、現在では約10円/kWh程度まで低下しています。その結果、売電するよりも高騰している電気代を0円にするほうが経済的に有利であるという考え方が広まり、太陽光は「売るから使う」時代に変化しています。いわゆる「自家消費型太陽光」の時代が到来しつつあると言っていい状況だと思いますね。

現在の自家消費型太陽光では、屋根上、遊休地(建物と隣接)、駐車場などにパネルを設置し、生成した電力を同じ敷地内の建物で使用する「オンサイト型太陽光」が主流となっています。今回施工させていたただいた三興工業様もこのタイプになります。ただ、オンサイト型は敷地面積が制約されているため、多くのお客様の場合、電力需要の約20%しか賄うことができません。

その結果、残りの80%を補う手段として、遠く離れた場所に太陽光パネルを設置し、生成した電力を送電する「オフサイト型太陽光」が、今後数年のうちに主要な選択肢になると予想しています。

──三興工業様が導入した設備のスペックを教えてください。

専門的になってしまいますが、簡単にまとめると次のようになります。パネル容量は111.52kW(410W×272枚)で、PCS容量は66.6kW(33.3kW×2台)です。発電量は年間約120,000kWh程度でして、これを三興工業様の電気使用量に当てはめますと、約1.5ヶ月分の電力に相当します。

パネルと共に太陽光プラントの一翼を担う
PCS(パワー・コンディショニング・システム)。
直流(DC)を交流(AC)に変換し、効率良く電気を取り出す役割を持つ。

 

──今日はありがとうございました。

 

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